頭に手を置きながら、優しく囁く。


「ん・・・・・。」


凛が靴に履き替えながらくるっと俺の方を向いた。


「どうした?」


「・・・・・・。」


尋ねても何も言わない。


首にリードをつけられたタマとミーが、ドアを前足でこすりながら「早く早く!」と訴えかける。


「・・・・ってして・・・・。」


凛の顔が、真っ赤なのがわかった。


「ギュって・・・・して・・・?」