迷わず手に取った、包丁。


「何やってんだよ!ねぇちゃん!!」


浩太がリビングのドアの前で叫ぶ。


なに・・・やってる・・・・?


「あたしはね・・・もう疲れちゃったよ・・・・。」


へらっと笑った時、最後に見えた。


浩太の泣きそうな顔は、たぶん忘れられない。


あたしは、包丁を腕に水平にあて真横に振った。


目の前で、飛び散る鮮血。


あぁ。


あたし・・・・生きてたんだ・・・・。