沙紀には沙紀の未来がある。


この家に生まれたからには、それなりの運命に従わなきゃならねぇと思うんだ。


俺のクソ平凡な運命とは違う、な。


「な、なに・・・言ってんの・・・?あた、あたしの未来は蓮と一緒になるこ・・・。」


「言うなっ!!」


抱きつく沙紀を心を鬼にして剥がす。


「あたしのこと・・・嫌い・・・・?」


「嫌いだったら・・・わざわざここまでしねぇよ。」


沙紀の肩を持つ手に力が入る。


「じゃあ、れんれん・・・・。」


「ん・・・?」


「一つだけ・・・お願い・・・聞いて・・・?」