「そ、そんなことないっ！！」
目に大粒の涙を溜める。
「苦しい時だって、楽しいときだって、一緒にいてくれたのはれんれんだったじゃん！！」
沙紀が俺の胸板をポカポカ叩く。
「そんなこと・・・言わないでよ・・・・。」
その度、目にたまっていた涙が、地面に小さな水たまりを作る。
「沙紀・・・・・。やっぱり俺は、弱虫だよ。」
「・・・・！？・・・・」
「連れ去ろうとした。沙紀が俺と同じ気持ちなら、駆け落ちだってなんだってやった。」
「・・・・っ・・・。」
「けど、出来ねぇわ・・・・。」
「れ・・・。」
「お前の、未来・・・奪いたくねぇよっ・・・・。」
