「あた、あたしね‥‥知らない人とけ、結婚するの‥‥っ」


涙ながらに、笑顔で話す沙紀を俺は力いっぱい抱きしめた。


「お前は‥‥お前はそれでいいのか‥?」


頼むからっ、嫌だと言ってくれっ‥。


そしたら俺が、お前かっさらってでも幸せにするからっ‥。


「い、いやだよぉ‥。あたしは、れんれんと、一緒がいいっ‥‥。」


そのとき、俺の中で何かが切れたんだ。


「おい!!そこで何してるんだ!!蓮君じゃないか。もうすぐ相手の方が来るんだ。さっ、来なさい沙紀。」


「い、いやだよっ!!蓮!!」