俺を無視して、嫁に出すだと‥?


「ふざけんなよ‥。」


俺は右手の拳に力を込めた。


まるで、今までの分の沙紀への思いを込めるかのように。


「勝手に決めてんじゃねぇぞ‥。」


気づいたら俺は、家を飛び出して沙紀の家にいた。


庭にいた沙紀はすぐに俺に気づいた。


そしてそのまま抱きついてきた。


まだ息の整っていない俺。