「お前だってわかってどうするんだよ。」


「ふふ。そんなに嫌そうにしないでよ。」


隣にある公園からは子供の無邪気な笑い声がする。


「あたし達にもあんな時があったのにね‥‥」


走り回る子供を見ながら寂しげに笑う、沙紀(さき)。


「そうだな。だけど、あれからもう何年経ったと思ってんだ。」


「さぁ?年月を数えるのは年を数えるみたいで嫌なのよね。」


「知るか」


俺は、沙紀を睨みつけた。