「あ‥‥亜美‥‥‥。」


「なーんだ。ちゃんと口きけるんじゃない。」


フフ、と妖艶に笑って見せる亜美。


「とりあえず中に入れてよ。」


妖艶な笑みから一転。


切り裂くような声で睨みつけられる。


「ひっさしぶりの我が家だー!!」


無邪気に笑う浩太。


でもその目はどこかかげっていた。


まるで、何かに取り付かれたように。


「なんでそんな楽しそうなのよ。浩太。」


「だって久々にねぇさんにも会えた。それ以上に嬉しいことなんてないんだよ。亜美さん♪」


白いミュールを脱ぎながら亜美と浩太が家に上がる。


「今までどこにいたの‥?浩太‥?」


そう尋ねると浩太はゆっくり振り向き、


「け・い・む・しょ♪」


「け‥‥刑務所‥‥‥?」


「そっ」