なぜ、あなたがココにいるの?


どうしてその子と一緒なの?


どうしてそんな、楽しそうな目であたしを見るの‥?


「あれ、もう僕の名前忘れた?」


あなたは勝手に消えて、また現れた。


少しでも会えてうれしいと思ったあたしに嫌気がさす。


嫌でも思えてしまう。


だってあなたは‥‥‥


「ひどいなー。久しぶりの再会なのに。“双子の”僕のこと忘れちゃうなんて」


―――――ドックン―――――


心臓が激しく脈打つ。


“双子”という言葉に吐き気がした。


「おかえり‥‥浩太(こうた)‥‥‥」


「ただいま、ねぇさん♪」


にっこり笑う浩太に怖いと思った。


「あたしには、何の挨拶もないの?りーんちゃん」


その声はひどく綺麗で、ひどく‥濁って聞こえた。



どうして、あなたが浩太といるの‥‥?