どうして亜美が一緒だったんだろう。


亜美‥‥。


あたしに地獄を見せたこの名前。


出来ればもう二度と聞きたくなかった声。


亜美‥。


またあたしから、すべてを奪うの‥?


「‥‥っ!」


あたしは、“あの頃”を思い出し吐き気がした。


必死に口を手で押さえ、嗚咽を止める。



苦しい。


悲しい。


助けて。



蓮!!


―――――ピーンポーン―――――


いきなりなったインターフォンに体がびくつく。


蓮はインターフォンなんてならさない。


じゃあ、誰‥‥?


玄関まで行き、ドアを開ける。


「久しぶりだね。凛。」