少年が道なき道をずんずんと進んでいると、やがて開けた広場のような場所に出ました。

広場の中心には、何者かが座り込んでいます。

人間のようにも見えますが、それは全身真っ黒の毛むくじゃらで、角が生えておりました。

恐らく、かつてこの辺りを荒らしまわったという伝説を持つあの魔物でしょう。

醜い容姿に悪臭を放ち、怪力を持って残虐の限りを尽くしたという、あの。

しかし悲しいかな、今は鎖にがんじがらめにされ、身じろぎ一つしません。

体は痩せ細り、まるで死んでいるようでした。