「…怖かったろ?これからは俺がちゃんと守ってやるから。」

「…っ…っ!」

だからもう泣くな、と手でぽんぽんと頭を軽く叩かれた。

その手が頭に触れると、顔がまた熱くなって、ドキドキした。
同時にさっき起こったことを忘れられるくらい、嬉しかった。


「早く取りに行こうぜ?教材。」

「うん。行こっか」


再び前を歩く会長に言われた、『守ってやる』の一言がどういう意味を持っているのかは

私はまだ分からなかった。