?」

「そうだけど…何で知ってるの?」

「まぁ、そんなのいいからさ。式の時、いろんな女が俺見てただろ?」

なんだこいつ、自慢かぁ?

「つまりだ。俺がお前にベタベタしたら、世の女はお前に嫉妬し、目立ち、いじめられるというわけだ。」

…何なんだよぉ、本当に
「だ、だから何ですか?」

「俺に逆らうな。いいか?」
「やだ。」

「抱きしめてほしいのかな?」
「すいません」
ある意味これってパワハラじゃないの?
絶対矛盾してる。私は私の学園生活を築くつもりだったのに!
それをなんでこんなただのワガママ男に邪魔されちゃうのよ?意味わからない…。


「…やることの汚い生徒会長なんか、きっとこの高校には必要としていないと思います。」

「ほぉ…俺に反対意見なんて言うやつ、今時珍しいな。」
 この高校は、おかしい。
 どこの高校に会長命令は絶対だなんて規則があるの?

「その無謀な勇気に免じて、何か褒美でもやろうか。」
そっと、耳元で甘く囁かれる。
顔が近い顔が近い…!!

そんなとき、琴ちゃんの声が不意に聞こえた気がする。

『いっつも思うけど、みのりんって男慣れしてないよね。』

『男は、いつになっても慣れないよ…』

正直この時琴ちゃんはただのぶりっ子なんじゃないかと思った。慣れたって仕方ないし、話すことも特にない。

きっと私は社交的な琴ちゃんがうらやましかったんだと思う。

『みのりんはもっと経験積まないとね! 人と関わるの、ニガテでしょ。』
この通り、ちゃんと私のことも理解してくれている。

それでも、私は男を良く思わない。

私自身が男と関わって泣いたりする子を見て本気でかわいそうと思ったから…なのかな。

「ま、冗談だけどな?」
ふと酒井の一言で、回想にひたっていた私は現実に戻される。
その一言には優しい笑顔が込められていて、心の中で何回もリピート。
きっと私の顔も、さっきみたいな強張った顔はしてないんだろうな。

苦手なものは何ですかと聞かれたら、人付き合いです、と絶対答えてしまいそうなくらい友達には悩んできた。

高校days。
何か卒業する頃には、私はきっと変われているような気がする。

少しその時が楽しみだ