困ったように笑う芝川君を目の前に
パンドラの箱は開きかけていた。


幸いにも席になかやんはいない。



周りを見渡しても騒いでいるグループが1つと
カウンターに2、3人座っているだけだ。




「なかやんには言わないでよね…」


芝川君の言葉にそそのかされてか
お酒の勢いもあったのか――


私は箱の中身を芝川君に話す事にした。