先輩の言葉はいつも端的で的確だ。


あまりのストレートな言葉に
口ごもってしまう。



「なにがあったか聞かないけど…
 たぶん林先生は
 まるごと受け止めてくれると思うよ。

 花ちゃんに片思いしてからすぐに
 全部の女と手ぇ切ったみたいだし。」


チャラくていかにも女たらしな先生が
私に片思いしてるなんてことは
にわかには信じがたいけれど…
あの真剣な目を思い出すと
ウソだと言いきれない自分がいる。



「…あ!そうそう!
 今日ギプスした男の子から預かったよ。」


そう先輩に言われ
差しだされたのは
製薬会社の名前が入ったメモの切れ端。



「ずっと花ちゃん待ってたっぽかったから
 手紙書いたら渡すよって言って
 紙わたしたの。」


雑に折られた紙を開くと
懐かしい文字が目に飛び込んでくる。
残念ながら達筆とはいえないが
なぜか安心感を与えてくれる…




  今度メシいこう
  またメールする