私が就職した時からって…
もう1年経ってるって事!?
ぷしゅーーーーー
もともと容量を超える出来事を
抱えていたために
私の頭はエンストしたように
思考が停止してしまった。
そんな私を心配そうに見つめながら
先輩は続けた。
「花ちゃんがここに来る1年前に
林先生は赴任して来たんだけどね…
林先生ってあの容姿でしょ?
先生から声掛けなくても
モテまくってたわけ」
うんうん…
確かにそうだろう…
切れ長で見透かされそうな目に
長いまつげ
漆黒と言う言葉がよく似合う短髪の髪に
ほんの少しだけ筋肉質な腕…
そういえば…
思い出したように自分の左手首を見ると
赤く痕がついている…
どれだけ強く握られてたんだろう…
カッと顔が熱を発しだすのがわかる…
「俺の誘いを断るのは
花ちゃんくらいだーって
林先生言ってたでしょ?」
確か今朝もそんなこと言われたような…