「そーなんですよ!東先生!
 花ちゃんフリーなのにガード堅いねー」


な…なんと失敬な!!

冷静でいたい思いとは裏腹に
顔の体温が上がる――



「えーっと今日で… 
 ちょうど50回目ですね!」


手帳をパラパラとめくりながら
東先生が答える


え!!いつの間に数えていたのか!?


「俺の誘いを断るなんて 
 花ちゃんくらいだよー!
 いつになったらデートしてくれる?」



全く…ここのドクターは…


赤い顔を見られないようにそっぽ向くと
時計に目が行く――


助かった…



時計はもう外来開始を示している――



「冗談はさておき!!
 外来始まりますよ!!

 東先生も
 1診に戻って下さい!!」



「「ヘーイ…」」


つまんなそうに返事をすると
東先生は1診に戻り


林先生は予約患者のカルテに
目を通し始めた--