先生の言っている事に理解できず
眉を八の字にして聞き返す。
その表情を見た先生は
目を見開いて驚いてる。



「花ちゃん…俺の気持ち…
 気付いてなかった?」


「先生の気持ちって??」


疑問に思い尋ねると
はぁーーと大きなため息をつかれる。


「花ちゃん…
 看護師のくせに観察力なさすぎ…」


「むっ!患者さんのことは
 ちゃんと観察してます!」


「そうじゃなくてさ!」


先生が私の左手首を掴み
自分の方へ引き寄せてくる。
阻止しようにも
力が強く先生に駆け寄る形になる。


「あの…せん」
「花ちゃんに熱をあげてる患者が
 目の前いるんだけど」


思わず顔を上げると
真っ赤な顔した林先生がいた。


「診断名は…恋の病かな?
 花ちゃんに気持ち伝えたら
 楽になるかと思ったけど
 まだまだ熱が上がりそう…」


先生に掴まれた左手首が熱くて痛い――