我慢出来なくなった陽菜は
唇を離し声を出して泣いた…。
ヒナ
『……ウッ…ク…
ヒック…こぉ〜きぃ〜…ヒック…』
光輝は
自分の指で陽菜の涙を拭くと
軽くキスをして髪を撫でる。
コウキ
「―――…俺…ね…
今まで親の仕事で
転校ばっかりだったから…
友達とか作れなかったんだ…。
離れる時辛いからね。
解ってたのに…
…何で…陽菜の事…
……好きになったんだろう…。」
ヒナ
『………ヒック………ヒック…』
コウキ
「でもね…。
勘違いしないで…
…俺…
陽菜に出会えて…
好きになれて…
良かったよ♪嬉しいんだよ♪
陽菜も俺の事…
好きになってくれたしね☆
一杯…
幸せな気持ちになれた…。
【初恋】ってやつだね♪」
ヒナ
『…陽菜も…
光輝に出会えた事…
凄く嬉しいよ…。
もし…
これで会えなくなったとしても…
光輝は…陽菜の…
【初恋】だから…』
お互い
解っていたんだろう…
…東京⇔博多…
中学生の子供が
行ける距離ではない。
これで離れたら
もぅ会う事は出来ない
って事を―――…