コウキ
「―――…陽菜…

…昨日も言ったけど…



俺……

本気で好きだし大切なんだよ…。

だから陽菜が俺の為に
悲しむ顔や泣き顔を見るのは
嫌だよ―――…

怪我の理由を知ったら
陽菜は絶対
自分で自分を攻めるだろ?
だから俺は
絶対に言うつもりは無かった…。

昨日は
嘘付いちゃって、ごめんね…。

でも…それでも……
本当に陽菜には


――…知られたくなかった…。」





光輝の目には
今にも落ちそぅなぐらいの
涙が光って





コウキ
「だから…


泣かないで…

悲しまないで…


陽菜は笑ってるのが
一番なんだから…」





抱き寄せていた陽菜の身体を
一段と強く抱き締める。










《ねぇ…。
どぅして?

光輝はどぅして陽菜なの?…



光輝がモテる事ぐらい
知ってるんだよ…。

何人にも告られてる事ぐらい
知ってる…。



陽菜と付き合ってるの知ってて
それでも影で思ってる娘だって
居るんだよ。



それなのに…



どぅして陽菜を選んだの?
陽菜を選んだばっかりに


辛い思いして…
後悔してないの?…



今からでも遅くない…》





強く抱き締められている
光輝の胸の中で
そんな事を考えていると



そっと体を離し
キスをしてくれた…。