だから?
怪我の事隠したの?
陽菜に言ったら
自分で自分を攻めるから?…
光輝は何も悪くないのに…
自分より大きい
何人もの人に殴られて…
あんな大怪我させられて…
こんな陽菜の為に…
それなのに昨日は…
“好き”
って言ってくれたの?
すぐに
光輝の住むマンションへ向い
近くの公衆電話で光輝を呼び出し
マンションの敷地内にある
小さな公園のベンチに座って
俯きながら待つ。
―――…カツン…カツン…
静かに杖を着く音が近付くと
コウキ
「陽菜?どぅしたの♪」
隣に座りながら聞こえる
光輝の声…
コウキ
「急に“家の近くまで来てる”
なんて言うからビックリしたよ♪
何かあったの?」
光輝の顔が見れないで
俯いたまま
ヒナ
『…怪我の……
その怪我の訳…
聞いた―――…。』
コウキ
「――――…誰から?…」
ヒナ
『………そんなの…
誰からだって良いじゃん!
…それよりも……
…それ…よりも―――…』
陽菜の身体を
自分の方に抱き寄せて
明るく振る舞う光輝は
コウキ
「俺の事は
心配しなくても平気だよ♪
陽菜は悪くないから…
陽菜はモテるからさぁ〜♪
そんな陽菜の事を
好きになったのは俺だもん!
これぐらいの事は…」
ヒナ
『…そんな……
これぐらいの事じゃない!
こんなに大変な事じゃん!
全部……
陽菜のせいじゃん!』
泣きじゃくりながら顔を上げると
淋しそうな顔で
陽菜を見つめる光輝がいた…。