辺りを見回しても
光輝の姿はまだ無い公園の
いつものベンチに座って
待っていると
遠くから…
光輝がゆっくりと
歩いてくる姿が見えた。
《…ぇ?!…何?!…》
コウキ
「遅くなっちゃって
………ごめんね…。」
―――…そこには
松葉杖を付いて
傷だらけの身体をした
光輝の姿があった―――…
ヒナ
『…そんな事より…!!
………ど…どぅしたの?!』
光輝を抱えるようにして
ベンチに座らせながら聞くと
コウキ
「…こんな姿…恥ずかしいし
陽菜先輩…
心配しちゃうから
〈見せれない〉と思って
一瞬考えちゃったけど…
やっぱり会いたかったから
来ちゃった♪」
陽菜の髪をクシャっとする光輝は…
年下なのに
陽菜より背は高くて…
でも……
幼さの残る可愛い顔してて…
たまに
格好良い事を言ったりする…。
ヒナ
『―――…そんなの…
答えになってないじゃん!
その怪我どぅしたの?!』
“自転車で転んだ”
“階段から落ちた”
一生懸命ごまかす光輝…