消毒薬の漂う独特な匂いが
鼻を刺激して目を覚まし
辺りを見渡すと
保健室だった…
登校して教室に向かう途中
廊下で倒れた陽菜は
一緒に歩いていた奈緒が
連れて来てくれたらしい。
― キーンコーンーカーンコーン ―
――――…ガラガラ
ヒナ
「陽菜ぁ〜!大丈夫ぅ〜?!」
授業が終わり休み時間になると
保健室のドアが勢いよく開いて
心配そうに奈緒が入って来る。
ヒナ
『ごめんね☆
でも…もぅ平気だよ♪』
心配されないよに
元気に振る舞う。
ナオ
「まったく!
急に倒れるんだもん…
心配したんだからね!!」
ヒナ
『…最近…
ちょっと体調悪くて♪エヘヘ♪』
作り笑いで答える陽菜を見て
ナオ
「…陽菜…?
奈緒ってそんなに頼りない…?
そりゃぁさ!奈緒は
何にも出来ないかもしれないよ?
でも話を聞いてあげる事ぐらい
出来ると思うんだけど…。」
奈緒とは
幼稚園からの幼馴染みで
何をするにも
いつも一緒だった。
だから……
陽菜の
ちょっとした変化に…
無理してる事に…
奈緒だけは
気付いていたんだ