――――…カチャ…
―――…パフッ…
自分の部屋に入ると
ベッドに横たわり目を閉じると
鮮明に思い出してしまう…
ナイフの恐さ…
冷たいナイフの感触…
殴られた痛さ…
入れられた痛さ…
腕、足を押さえられた
力強い感触…
ヒナ
『………ウッ……ヒック…』
思い出すだけで
ガクガクと身体が震える程
恐くなってきて
隣の部屋で寝ている弟妹に
気付かれないように
布団を頭から被って
声を押し殺した―――…
それでも1人で居ると
思い出してしまうから
元気を装って学校には行った。
でも……
食事も喉を通らなくて
まともに寝れなくて
あれから
―――…3日が経った頃。
陽菜の小さい体は
限界だったのだろう―――…