―――…その後…
どぅやって帰ったのかも
覚えてないぐらいに
放心状態だった―――…
―――…ただ…
覚えているのは……
―――…キスをされた時
歯に力を入れていて
ディープキスは
されないようにしていた事だけ…
――――…責めて…
それだけは――――…
そんな
気持ちだったんだろう…
ガクガクの足を
無理矢理歩かせながら
地元の駅に帰って来た頃には
辺りは薄らと明るくなっていた。
ヒナ
『……もぅすぐ…家だ……
…早く……早く……
……………帰りたぃ…』
― プップップー!! ―
「危ねぇーなっ!
気を付けろ!!」
車の大きなクラクションの音で
周りが見えていなかった陽菜は
ハッと我に返ると
赤信号にも気付かず
交差点を歩いていた事に気付く。