拓真の腕の中で小さくなっている
陽菜の髪を撫でながら





タクシ
「陽菜が卒業したら
いつも一緒に居られるんだな♪」





ヒナ
『嬉しいなぁ♪
…でも…陽菜…
………料理出来ないよ?…』





上目遣いで拓真を見ると





タクシ
「少しぐらいなら俺が出来るから
心配しなくても大丈夫♪」





ヒナ
『頼りにしてます♪エヘヘ』





陽菜の額に自分の額をコツンと当て
“任せない”といった表情で
ニコッとした。










タクシ
「ところでさっ
陽菜は学校卒業したら
どぅするの?」





ヒナ
『勉強の成績も悪いし
進学や就職は無理だから
美容師の専門学校に
行こうと思ってるんだ。』





タクシ
「そっかぁ☆
じゃぁ俺の髪の毛も
切って貰わなきゃ♪」





ヒナ
『そうだね♪』





少しクセのある柔らかい
拓真の髪の毛を
クルクルといじりながら
陽菜は応えた。










中学の時から自分の髪を
いじる事が好きで

それでは物足りなくなって
そのうち妹の髪の毛もいじり出し





出来れば
《やってみたい》
と思ってた事。





他に遣りたい事も無く



だけど


このまま就職
ってゆうのも何だか
腑に落ちなくて…





振り返れば
ただ遊んで過ごして来た
学生生活…





少しは
将来の事を考えるようになって


《このままじゃいけない》
って思うようになって





やってみたいと思ったのが
美容師。



《自分の店を持ちたい》とか
そんな大きな事は考えていない。



でも
《自分の好きな事をして
将来は仕事をしてみたい》
って素直に思ったんだ。