タクシ
「…陽菜…
産まれてきてくれて…
俺と出逢ってくれて…
――――…ありがとう…」
後ろから
耳元で優しく囁く拓真の声。
初めて2人で祝う
陽菜の誕生日―――…
今までは
誕生日を利用して
色んな男と寝て
貢がせたりもした。
こんな陽菜の事でも
“好きだよ―――…”
って言ってくれた拓真。
2人で……
たくさん笑って
たくさん泣いて
たくさん喧嘩して
たくさん怒って
―――…それでも
一緒に居て感じれる幸せを知って
陽菜の視界は
一瞬で涙で一杯になり
瞬きをすると
―――…ポタッ…
抱き締められている
拓真の腕に零れた。