―――…サワサワ…





車を止めて手を繋ぎながら
大学の中の並木道を歩いて行ると
大人っぽい人達が
ザワザワと雑談をしながら
陽菜達の横を行き交う人々の中











「よう拓真♪何だ☆
珍しく女の子連れてんじゃん♪」





“よう♪”と
片手を上げて応える拓真に






「しかも今までとは違うタイプの
ちっちゃくて可愛い娘じゃん♪」





タクシ
「俺の彼女♪」





得意気に応えた拓真の言葉に
思わず顔を赤らめる陽菜を見て






「赤くなっちゃって可愛い♪
こんな娘がタイプじゃ
ウチの学校のケバイ女達が
いくら告っても無理な訳だ♪」






「随分と素直に応えるって事は
今回は本気なんだなぁ〜♪」





すれ違いざまに会話して










“俺の彼女”










拓真の言ってくれた言葉に
胸がキュンとしながら
繋いでる手にギュッと力を込めると





タクシ
「俺の彼女♪」





そう言って
赤くなってる陽菜の頬を突いた。















「陽菜ちゃぁ〜ん♪」





大きな声で呼ばれた名前に
2人でビックリして顔を上げると


前から両腕を左右に振って
小走りで
近寄って来た実乃莉サン。





ミノリ
「拓真から
“今日は陽菜チャンも来る”
って聞いてたから
皆で待ってたんだよ♪」





そう言って
指で差した方に目を向けると
人々の流れから少し離れた場所に
颯太サンも築サンも恵梨香サンも
揃っていて



こっちに手を振ってくれている
皆の元に手を振り返しながら





ヒナ
『おはようございま〜す♪』





元気良く応えた。