閉まった時にヒラヒラと落ちた
1枚の写真を拾いながら
――――…キィィ…
タクシ
「見てみる?」
ヒナ
『………ッ…』
黙り込む陽菜に写真を手渡し
陽菜の後ろにゆっくりと座って
フワッと抱き締めながら
タクシ
「一緒に見よう♪」
耳元で優しく囁くと
陽菜の手の中にある写真の束を
1枚づつ捲りはじめた。
ヒナ
『………拓……真………ムリ…』
―――…ギュッ
手の中にある写真から目を反らし
自分の胸に押しあてる。
タクシ
「………陽菜?…」
そんな陽菜の手をそっと握った
後ろから
抱き締めてくれる拓真に
振り向くと
―――…コクリ…
ゆっくりと頷いた
拓真の笑顔は
“大丈夫だよ…”
って言ってるかのうように
見えて
ゆっくりと手を戻すと
拓真は再び写真を捲りだす。
タクシ
「あぁ〜これ!
俺が
“サーフィンの大会がある”
って言ったら翼クンと純クンが
見に来てくれた時の!」
ヒナ
『キャハハ♪3人共変な顔してる〜♪
特に翼なんて
いつもクールで大人って感じだったから
こんな顔してんの初めてみた♪』
丁寧に1枚1枚の写真を眺めながら
話をしてくれてる拓真につられて
始めは拒んでいた陽菜も
自然と笑顔になる。
タクシ
「これは翼クンの
誕生パーティーした時の!
最初はね
“皆で祝う”って言ってたんだけど
照れ屋の翼クンだから
断っちゃって…
だから3人だけでやったの♪」
ヒナ
『凄く嬉しかったんだね♪
あの翼が泣いてるもん☆』
タクシ
「懐かしいなぁ〜♪
で……これが〜」