タクシーから降りて少し歩くと
ピタリと止まった拓真の足に
前を見上げると
《…………ぇ?ココ?!……》
大きな門構えで広い庭のある
家の前に立っていた。
《もしかして…
拓真って金持ちの息子?…》
そんな事を思っている
陽菜をよそに
――――…ガチャガチャ
―――…キィ
タクシ
「どぅぞ入って♪」
扉を開けて
家の中へ促がされた陽菜は
ヒナ
『…ぉ…ぉじゃまします…。』
そぅ言って
玄関に入ったのと同時に
リュウガ
「おぅ兄貴!また朝帰りかよ♪
しかも女連れなんて珍しいな♪」
―――…ペコッ
チラッと陽菜を見て
頭を下げる男の子に
ヒナ
『ぁ………お邪魔…します。』
陽菜も小さく挨拶をすると
タクシ
「お前はまた徹夜で勉強かよ♪
あんま無理しないように
頑張れよ…。」
そんな
兄弟の会話をしてから
陽菜を部屋へと連れてった。
―――…カチャ
タクシ
「適当に座ってて♪
今、飲み物持ってくるから♪」
1人部屋にしては
凄く広い部屋…。
何度か
男の部屋に入った事はあったけど
拓真の部屋は綺麗に整理されてて
あんまり〔男の部屋〕
って感じはしなかった。
テーブルの脇にチョコンと座って
辺りを見渡しながら
《やっぱり…金持ちなんだ…。
…………でも何で?…
〔dream〕
行ったりしてんだろう…。》