奈緒と夢衣と別れて
その足で病院に向かう。










――――…ガラガラ…





タクシ
「あっ!陽菜ぁ〜♪
待ってたよぉ〜☆」





陽菜の姿に気付くと
抱き付いてくる
毎回こんな感じの2人に
看護婦サンは





カンゴフ
「拓真クン達は
本当に仲が良いのねぇ☆」





タクシ
「当たり前っすよ♪」





1度チラッと横目で陽菜を見ると
胸を張って答えた拓真に





カンゴフ
「所で市原サンって…
拓真クンの親御サンよねぇ?」





タクシ
「………。」





看護婦サンの言葉に



一瞬………










陽菜に触れる拓真の手が
ピタリと止まった…。










カンゴフ
「入院の手続きや
振込みはされてるのに…
〈お見舞いに来ないなぁ〜〉
と思ってね…。」





タクシ
「ウチの親…
忙しいんですよ♪」





いつものように
変わらない笑顔で応える拓真に
違和感を感じる。









今の一瞬は…





―――――…何?















タクシ
「それよりさぁ〜看護婦サン♪
俺…明後日
退院して良いんだよね?」





カンゴフ
「拓真クンが頑張ったからね♪」





その言葉に
2人で顔を見合わせ





タクシ&ヒナ
「『やったぁ〜♪』」





陽菜が
拓真に抱き付いて喜ぶと





カンゴフ
「陽菜チャンも
あまり遅くならない内に
帰りなさいね♪」





ヒナ
『はぁ〜い♪』





元気良く答えて病室から出て行く
看護婦サンを見送った。