ハヤタ
「“拓真見てるとイライラする!”



って実乃莉が言い出してさっ♪」





ミノリ
「だってそうでしょ?!
陽菜チャンの事好きなのに



“好きじゃない”



とか言っちゃってさぁ〜!
好きな子を
他の男に取られそうになれば
少しは自分の気持ちに
気付くと思ったの…

あんな拓真
見たの初めてだったし…
陽菜チャンだって拓真の事
悪く思ってなさそうだったし♪」





ヒナ
『…………実乃莉サン…』





隣に立っている実乃莉サンを
そっと上目遣いで見上げると
座っている
陽菜の頭に優しく手を乗せ





ミノリ
「2人には
〈幸せになって欲しいなぁ〜〉
って思って…

あたしもバカだからさぁ〜
あんな方法しか思い付かなくて…
陽菜チャン…
逆に傷付けちゃってたら
ごめんね…。」





陽菜は泣きながら
ブンブンと首を横に振る。





実乃莉サンの気持ちが
凄く嬉しくて…





嘘であっても

冗談であっても





自分の好きな人が
他の女に告るなんて…



どのぐらい
嫌な事だっただろう…。





そんな思いをしてまでも
陽菜達の事を
考えていてくれた気持ちが…





その気持ちを解って
嫌な役をしてくれた颯太サン…。





2人に
《ありがとう》
の気持ちで一杯だった。