ハヤタ
「入って来て良いぞ〜♪」
颯太サンが
ドアに向いて声を掛けると
「もぅ良いのぉ〜!」
聞き覚えのあるその声に
一瞬チクリと胸が痛む。
―――…ガラガラ…
「やっと2人の顔が見れた♪」
病室に入って来た人の姿に
陽菜は下を向いたまま
顔を上げれないでいると
ミノリ
「陽菜チャン?
陽菜チャンは何も悪くないんだよ?
悪いのは全部この
バカ拓真のせいだから!」
そう言って
陽菜の肩に手を乗せると
―――…バシッ
包帯の巻かれていない方の
拓真の足を叩く実乃莉サンに
タクシ
「痛ってぇ〜!
何すんだよ〜!」
皆が笑ってる中
ハヤタ
「陽菜チャン♪心配しなくても
俺は実乃莉と別れてないから
安心して♪
それにしても本当に拓真って
手が掛かるよなぁ〜♪」
訳が分からず
キョトンとしている陽菜の隣で
笑ってた恵梨香サンが
エリカ
「颯太がワザと
陽菜チャンに気がある
フリをしたんだって♪」
ハヤタ
「拓真に
ただ言うだけのつもりだったのに
こいつ…
“頑張れよ”
とか言っちゃって☆
そんな事言うもんだから…
俺が陽菜チャンに
告るフリをした訳♪」
颯太サンがそこまで話すと
エリカ
「そうすれば…
拓真が陽菜チャンに
気持ち伝えると思ってさ…」