「ほらよ♪」





―――…ヒラヒラ…





投げ捨てるように
後部座席にバラまかれた
数枚の写真を1枚ずつ拾って見る





《!!》





写真を確認していると
男は隣に移動してきて






「ねぇ〜♪だから言ったでしょ?
俺の言う事、聞けなかったら
このヤラシイ写真
バラ撒いちゃうよ☆」





―――…グイッ!





そぅ言って
陽菜の腕を引っ張った男は
左手で腕を掴み右手には










注射器―――…








《…覚醒剤?…》





男が陽菜の腕に
注射器を当てようとして





――――…チクッ





ヒナ
『やめて!!』





―――…ドンッ!





――――…バタンッ





男を突き飛ばし
頭を打って痛がってる間に
車を降りて逃げ出した。










恐くて…





振り向く事もしないで
夢中で走って
〔dream〕に戻ると





ヒナ
『……ハァ…ハァ…』





ミユ
「…ん?…陽菜どぅした?
顔色悪いよ?…」





心配そぅに
声を掛けて来る美優に





ヒナ
『……な…何でもない……』





男は追って来ないが
さっきの恐怖が消える事が無く





ヒナ
『………ごめん…
今日は…早めに帰るね…。』





美優に伝えて
陽菜はいつもより早めに
〔dream〕を後にした。