タクシ
「…翼クン…
これからは…
俺が陽菜を守るから…

他の奴じゃなく俺なら…
翼クンも…
安心してくれるよね?


―――…だから…





…俺に…
……陽菜を下さい……」










そぅ言って

翼の墓に頭を下げた―――…






ヒナ
『………ウック……』





そんな拓真の姿を見て
その場にしゃがみ込み
声を押し殺して泣いている
陽菜の傍に再び戻り
頭を撫でながら…





タクシ
「これは同情じゃない……
今…もし陽菜が死んだら…
陽菜が
翼クンを失った辛さと同じように…
俺は辛い思いをするよ…。
だから簡単に
〔死ぬ〕とか
自分で自分の命を絶つような言葉
使うなよ………

誰かが死んで
〈辛い〉って気持ちは
陽菜も解ってるんだから…





俺は
陽菜の傍に居たい…

俺の隣には
陽菜が居て欲しい…





―――…俺と…



付き合ってくれない?」





ヒナ
『……ぁ…あり…がと…
でも………でもね…ヒック…』





タクシ
「今すぐに
返事をくれなくても良いから…

俺は…陽菜の事…
ずっと待ってるから…。」