タクシ
「通って来るようになって
見てるこっちが辛いぐらいに
荒れていくし……



―――…正直…



最初は
同情だったかもしれない…。

〈可愛そうな子だから
話掛けて仲良くなって
傍に居てあげれば…〉

翼クンや純クンに言われたから…
それで良いって………」





ヒナ
『……ッ…』





タクシ
「でも…
そうやって一緒に居る内…



〈外に遊びに連れてって
他の楽しみ教えてあげたい〉



って思うようになったんだ…。

沖縄も京都もスノボーも…

〈陽菜を
連れてってあげたい〉


って素直に思った…。」





ヒナ
『…ぅ……ん……』





タクシ
「〈陽菜の事が…好きだ〉って…
自分の気持ちに気が付いたのは…

颯太の事が
あってからだけど………」





陽菜は
泣きながらも拓真の話しを
一生懸命
頷きながら聞いてた…。





――――…すると





そこまで話した拓真は
ゆっくりと陽菜から離れ
翼の墓の前に立ち…