―――…翼の墓前。





拓真は翼の前に立ちながら
少し離れて立っている陽菜に





タクシ
「―――…陽菜…

さっき公園で俺に言った言葉…
…………翼クンの前で言える?…」





さっきまでの恐い顔とは違う
いつもの優しい顔で言った。





ヒナ
『―――ッ…』





タクシ
「………陽菜?…」















ヒナ
『―――…翼の事…

忘れようと思っても…

忘れられないんだもん―――…





辛くて…
《死にたい》って…
何度も思ったよ―――…



苦しくて…
翼の所に行ったら…
《楽になれるのかなぁ》
って……



…………何度も……何度も…』





涙を堪えて話す陽菜に
近寄って来ると
いつものように頭を撫でながら










タクシ
「…忘れる事なんて…
ないんじゃないの?―――…

…何で無理に…
忘れなきゃいけないの?―――…


陽菜が
翼クンの事忘れちゃったら
翼クンが可愛そぅだよ?…」





陽菜の頭の上から
優しく響く声―――…