ヒナ
『―――…ちょっと…痛い!
何処行くつもり?!』





振り払らおうとしても
しっかり捕まれている腕…。










タクシ
「良いから黙って
付いて来い!」





今までに無い言葉や態度
怒った顔で
陽菜に言い放った拓真。





―――…そして




走り寄ってきた
颯太サンの前で足を止めて










タクシ
「―――…颯太。

悪いけど―――…



やっぱり俺…陽菜の事…










他の男に
譲る事できねぇわっ!」





そぅ言って再び歩き出すと
陽菜を車の助手席に乗せ
エンジンを吹かし走らせた。





―――――……





……―――――










車中は会話も無いまま



―――…途中





拓真は花屋サンに寄り
〔ひまわり〕を買うと

陽菜に手渡し
再び車を走らせる。





そんな拓真を相手にせず
陽菜はずっと
窓の外を眺めていた…。





走っている風景は…

段々と見覚えのある景色に
なっていく。





前に1度だけ


通った事のある道………





《……?!…》