「皆、知ってるよ♪
翼サンと陽菜チャンの事…。

陽菜チャンの前で
口に出して言わないだけで…

翼サンと仲が良かった拓真は
陽菜チャンの事…

きっと可愛そうで
放って置けなかったんだね…。」





当たり前のような口調で
言われた陽菜は





ヒナ
『……そぅ……なんだ…。』





《皆、知ってたんだ…。

知られていないと思ってたのは
自分だけで…

皆…
陽菜が可愛そうだから…

拓真も…皆と同じ?
陽菜に同情?

翼が居なくなっちゃって…
陽菜が可愛そうだから?

だから
優しくしてくれてたの?

だから
仲良くしてくれてたの?》










ヒナ
『…………可哀想な娘……か…』





――――…グイッ…グイッ…





ポツリと呟やきながら
グラスに半分以上入ったお酒を
一気に飲み干した



その時―――…