――――…ガバッ!










タクシ
「あっ!ご…ごめん!

俺…寝呆けてた!」





そぅ言って
ベッドから飛び起きると





タクシ
「……シャワー入ってくる…。」





陽菜の横を通り過ぎながら
恥ずかしそうに
ボソッと呟いた拓真の顔は
少し赤くなっている様に見えた。





―――…カチャ…





―――――…シャー










シャワーの音が聞こえると
無意識に
呼吸するのを忘れてしまうぐらい
ドキドキした鼓動を感じながら





ヒナ
『今…キス…された?

…………寝呆けてたって…
…陽菜の名前…
…呼んでた…よね?…』





軽く触れた唇を指で触り
動揺する陽菜は





―――…パチン





――――…ストン





TVを付けて
平然を装いソファーに腰掛けた。















―――…ガチャ…





タクシ
「ふぁ〜!さっぱり♪」





何も無かったように
シャワールームから出てくる
拓真とは逆に
陽菜の鼓動は再び早くなる。





ヒナ
『………。』





タクシ
「………。」





――――…♪…♪…♪





部屋の中に
TVの音だけが響く。





タクシ
「………明日もあるんだから
もぅ寝よっか♪」





ヒナ
『………そ……そぅだね…。』





意識し過ぎてか
声がうわずりながら
拓真よりも先に
ベッドへ潜る陽菜の鼓動は
TVを消した静かな部屋に
聞こえてしまうぐらい
大きく高鳴っていた。