♂
「ねぇ♪ねぇ♪お姉チャン
俺達と一緒に遊ばない?」
《こんな所まで来て
ナンパなんかしてんなよ!》
ヒナ
『無理です!』
♂
「何で?良いじゃん!
友達と一緒?」
―――…パシッ!
男が掴んだ腕を振り払い
ヒナ
『離してよ!』
♂
「良いじゃぁ〜ん♪」
「お前ら
何やってんだ?!」
ヒナ
『――――…拓真…』
後ろから
声を掛けて来た拓真は
今までに
見た事の無いぐらい恐い顔をして
陽菜を庇うように
前へ立ちはだかった。
♂
「チェッ!…何だ…野郎連れか」
拓真の姿を見て
男達がその場から離れて行くと
パッと陽菜に振り返り
タクシ
「大丈夫だった?
皆、待ってるから行こう♪」
いつもの笑顔で
買った飲み物を持って
逆の手で手を差し出した。
ヒナ
『………うん…』
タクシ
「どぅした?アイツらに
着いて行きたかったとか?
まぁ〜
いつもの陽菜だったら
着いて行ってたね♪」
ヒナ
『そんな事ないもん!』
タクシ
「ハイハイ♪ごめんね冗談☆
皆、飲み物待ってるから
早く行こう♪」
当たり前の事だけど
当然の事だけど
拓真は陽菜の事を
そぅゆぅ風に見てる…。
解ってはいたけど
直接、本人の口から聞くと
少し複雑な気持ちになる。