浜辺に腰掛け
他愛ない話をしながら
日が昇るのを待っていると


辺りが
段々と明るくなっていき





タクシ
「あっ…昇ってきた…」





ヒナ
『………わぁ〜…』





言葉が出ないぐらい綺麗で
吸い込まれていきそうな朝日に
2人は黙ったまま
昇るのを静かに見ていた。




タクシ
「綺麗だね♪」





ヒナ
『………ぅ…うん!
……凄ぃ…凄いよ拓真♪』










陽菜は
都会で産まれ育ち
自然を知らない…。



知らず知らずと
都会の汚い空気と同じ色に染まり
毎日を
汚なく過ごしていた陽菜にとって

澄んだ空の青い海がある
[沖縄]という地で
今まで見た事の無い綺麗な風景に
心までもが
綺麗になっていくような
気がした。





ホテルを出た時には
まだ薄暗かった空が

朝日が昇り終わると
すっかりと明るくなって
青空に変わっていて





タクシ
「そろそろ朝食だから部屋…
戻ろっかぁ♪」





拓真は
陽菜の手を取り歩き初めた。










―――…カチャ





部屋に戻ってみると
昨日は
暗くて見えなかった窓からは
エメラルド色の海が一望だった。





ヒナ
『ねぇ拓真!見て!
凄いよ…』





窓に
張り付くように眺めている陽菜に





タクシ
「本当だね♪」





後ろから窓を覗く拓真の温もりと
耳元で聞こえる声に
鼓動がドキドキしながら





ヒナ
『…早く…海に行きたいね♪』





思わず離れて
赤くなった顔を隠すように
誤魔化す。





タクシ
「じゃぁ準備するかっ!」





――――…コンコン…





キズク
「起きてるかぁ〜♪
朝飯、食いに行くぞ〜♪」





ホテルのラウンジで朝食を取り
そのままホテルを出発した。