―――旅行当日。





前日も〔dream〕で騒ぎ
二日酔い気味の
重たい身体を起こして
シャワーを浴び

拓真が迎えに来てくれる
待ち合わせの時間までに
メイクと髪をセットし


着替え終わると同時に










――――…プップッ!!





クラクションの合図に
大きな荷物を肩に掛け

高鳴る気持ちを押さえながら
部屋を後にした。





―――――……





家から少し離れた場所に止めた
拓真の車に近付くと

車から降りて待っていた
拓真が陽菜に気付き






タクシ
「おっはよ♪」





ヒナ
『おはよ♪』





――――…カチャ





タクシ
「乗ってて良いよ♪
荷物貸して♪」





助手席のドアを開けて
陽菜を車に乗り込ませると
荷物を後部座席に置いて
空港まで車を走らせる。










タクシ
「陽菜、真っ黒じゃん!
どっか行ったの?」





ヒナ
『そっかぁ♪
拓真とは最近〔dream〕では
入れ違いだったから
会わなかったもんね☆

高校の友達と
〔神津島〕と〔式根島〕
行って来たんだ♪』





タクシ
「またナンパかよ♪
でも…何かさ
今日の陽菜、可愛いじゃん♪」





チラッと陽菜を横目で見る拓真と
視線が合って





ヒナ
『何それ!いつもは
可愛くないみたいじゃん!』





プィッと少し照れながらも
拗ねてみせる陽菜に





タクシ
「そぅじゃなくってさっ♪
〔dream〕の時と
雰囲気が違うからかなぁ?」





何て他愛もない会話をしながら
早朝くの高速道路を走り





空港へ着くと
車を駐車場に止めて
皆との
待ち合わせ場所に向かった。