体育祭から
1週間ぐらい経った昼休み
皆で昼食を食べて居ると
―――…ガタガタンッ
トイレから戻って来た奈緒は
陽菜の隣に椅子を置きながら
ナオ
「陽菜ぁ〜♪丁度トイレの前で
3年の平岡先輩に
“前田サンに
放課後体育館の渡り廊下に来て”
って伝言頼まれたよぉ〜♪」
ヒナ
『ぅん?3年の平岡って誰?
しかも何の用だろう?』
ナオ
「ハァ?!陽菜、知らないの?
バスケ部のエース
平岡先輩だよぉ〜!」
昼飯の菓子パンを噛りながら
陽菜の顔を覗き込む奈緒に
ヒナ
『知らなぁ〜い♪』
1コ上の女子先輩から
気に入られて居なかったから
取り合えず先輩には
男女共に興味も無かったし
名前すら知ってる人も少ない。
ナオ
「……陽菜…行くよねぇ?
っつーか行かなかったら
奈緒が伝えてないみたいだから
ちゃんと行ってよね?」
ヒナ
『面倒臭いなぁ〜。
どーせまた
文句でも言ってくんじゃないの?!
でも奈緒の顔を立てて
行くだけ行ってみるから
安心して♪』
ペットボトルの水を飲み干して
奈緒に返事をした。