哲サンは
大事そうにしまってあった封筒を
陽菜に手渡した。





ヒナ
『…………手紙?!…』





テツ
「…純…

―――…あの後

陽菜チャンの事
ずっと心配してて…」





ヒナ
『―――…ありがとう…』





テツ
「今日で最後なんだから
思いっきり楽しんでよ!」





陽菜の頭をポンポンと叩いて
席を立ち
沢山の人の中に消えて行く
哲サンの後ろ姿を見送ると

手に持って居る
手紙を見つめながら






《純クン…
仕事、頑張ってんだ…

もし…翼が居たら…
翼も社会人なんだよね…。

そしたら陽菜達
どぅなってたんだろう…。

やっぱり思い出すのは
翼の事ばっかりだ………


来なきゃ良かったかな…》







―――…ギュッ…





純クンからの手紙を握り締めながら
そんな事を考えていると










「陽菜ぁ〜!」










哲サンが陽菜が来てる事を
皆に知らせてくれたらしく
懐かしい顔ぶれが
手を振って近寄って来るのを見て





純クンからの手紙を鞄にしまうと


皆の元へと走った―――…