翔平クンとの電話を切ると同時に
奈緒から電話が来て



“今から会いたい”




半ベソな声で
公園に呼び出され





陽菜が公園に付くと



街灯の灯りの下で
1人ポツンとベンチに座り
下を向いて泣いている
奈緒が居た…。










ヒナ
『奈緒!どぅした?!
何があった?!』





疼くまっていた奈緒は
顔を上げると





ナオ
「…陽菜…
急に呼び出してごめんね…。」





ヒナ
『うん…平気だから…
それよりどぅした?』





隣に腰を下ろして
奈緒の顔を覗き込むと





ナオ
「………裕がね…
奈緒以外にも
付き合ってた娘がいて…

二股掛けられてた………。」





ヒナ
『ハァ?!
何やってんのアイツ!』





ナオ
「問い詰めて聞いたら



“本気は奈緒だけだから…

向こうとは別れる”




って言ってくれたんだけど…

それでも…
他の娘と寝たって事は
【浮気】だよね?

……………許せないよ…。」





ヒナ
『………奈緒…』





一生懸命、宥める言葉を探すが
いくら考えても見当たらず
沈黙だけが流れ





―――――……





……―――――





ナオ
「陽菜…
聞いてくれてありがと…」





ヒナ
『聞いてあげる事しか出来なくて
ごめんね…。』





いつも元気付けてくれていた
奈緒が苦しんでいるのに
掛けてあげられる言葉も無くて…





ただ…





泣いている奈緒の背中を
擦ってあげる事しか
出来なかった。