夢衣の家に居据わってから


だいぶ月日が経った―――…





急に来た陽菜に





理由も聞かず…

“帰れ”とも言わず…





ただ…





“ココに居る事だけは

伝えなさい”





そぅ言っただけの
夢衣ママ…。





学校に行く陽菜よりも早く起きて





朝ご飯も食べさせくれて

お弁当も持たせてくれて





凄く良くしてくれた
夢衣ママ…。















―――…ある日。





3人で
ご飯を食べて居る時に





ヒナ
『夢衣ママは何で陽菜に
何も言わないし聞かないの?』





ママ
「聞いてどぅするの?
“帰りなさい”
って言ったら帰るのかしら?

それだったら
おばサンだって言うわよ。

でも…
そんな事言ったって
帰りたくないんだったら
家が駄目なら
他を探すだけでしょ?

それなら
おばサンの近くに置いておけば
心配ないじゃない?

学校も行かないで
バイトもしないで
遊んでいるだけなら
すぐにでも帰らせるけどね。
しっかり
バイトだってしてるんだし…
ちゃんと
学校も通ってるんだし…

親御サンが
心配して無い訳は無いと
思うわよ。


でもね…
夢衣もそぅだけど…

【今】やりたい事を
やらせてあげたいのよ。

夢衣は
学校も辞めちゃったし…」





ユイ
「……ゲホッ…ゲホッ……
…ちょっ…ちょっと…

急に何、言い出すの?」





食べていた物を
喉に詰まらせながら

夢衣ママと陽菜の会話に
口を挟む夢衣。