―――…この頃には





陽菜が家に帰るのは
朝シャワーを入りに
帰るぐらいだったから

親と
顔を合わせる事も無くなってた。





前は喧嘩もしてたけど
顔を合わせなければ
そんな事も出来ない。










週末のこの日も

いつもように
部屋で
遊びに行く支度をしていると










―――…コンコン…





ママ
「…陽菜…今…ちょっと良い?」





部屋の外から聞こえた
お母サンの声に





ヒナ
『何?』





部屋の中から
面倒臭そうに答えると





―――…カチャ…





ママ
「ちょっと…話があって…」





そぅ言いながら
部屋に入ってきて
テーブルの横に座った。





ヒナ
『…だから何?
これから出掛けるんだけど!
用事があるなら
早くしてくれない?!』





ママ
「…お母サン達…
離婚するかもしれないの…。」





ヒナ
『ハァ?!何言ってんの?』





髪の毛を整え終わり
化粧をしている手を止める。





ママ
「…陽菜…
全然…家に居なかったから…
言うか迷ったんだけどね…。

お父サン…
…浮気…してるみたいなの…」





お母サンは体を小さくしながら
涙を堪えているのが解る。





ヒナ
『浮気?!…何それ!!』





ママ
「車の中から…
女の人と一緒の写真も
出てきて…」