タケル
「…陽菜チャンは今…
彼氏って居るの?」





健クンからの
突然な質問に戸惑いながら





ヒナ
『…まぁ…
一応…居る…かな?』





タケル
「…そっかぁ…
一応って事は、その人の事…
本気で好きじゃないの?…」





寝転んでいて無防備な陽菜の手を
そっと優しく握ぎってきた健クン。





ヒナ
『……ッ…』










タケル
「俺と…
付き合わない?」





横で
健クンの視線を感じながら





ヒナ
『………陽菜ね…
本気で人を
好きになれないんだ…。

健クンの事…嫌いじゃないよ…。


―――…だけど




今“うん”って返事をしても
本気で好きじゃないのに
付き合う事になる…。


健クンとは、そんな気持ちで
付き合いたくないよ…。』





タケル
「………。」





黙り込んでしまった
健クンの手を離して
陽菜は体を起こすと