――――…ヒュゥ〜〜
―――…パチパチ パチパチ…
タケル
「…ぇ?!終わり?!」
火を着けてから
陽菜の隣に逃げて来た健クンは
交互に花火と陽菜を見る。
ヒナ
『みたいだね♪』
タケル
「なんだよぉ〜!ショボいなぁ〜。
あっ!これ
陽菜チャンが選んだ花火だよ♪」
終わった花火に近寄って
まだ少し煙の出てる筒を手に持ち
陽菜に向かって振った。
ヒナ
『え〜?!違うよぉ〜!
それは健クンが選んだんじゃん!
陽菜はこっちの選んだもん♪』
戻って来た健クンに
花火を差し出した陽菜の頭を
ポンポンと叩き
タケル
「…やっと…笑ったね♪…」
《……ぇ?…もしかして…
元気付けてくれたの?…》
タケル
「じゃぁ次はコレ!
いっきまぁ〜す♪」
元気付けてくれた健クンに
応えるように
2人でハシャギながら
買って来た沢山の花火をした。
―――――……
タケル
「やっぱ最後はコレっしょっ?」
そぅ言って袋から取り出した
――――…線香花火。
―――…パチパチ パチパチ…
小さくても
綺麗に輝く線香花火を
2人で眺めて
最後の1本が落ちた…。
―――…ドサッ!
タケル
「ぁ〜ぁ…
終わっちゃったぁ…。」
ヒナ
『終わっちゃったね…。』
砂浜に
寝転びながら呟く健クンの隣に
陽菜も寝転んだ…。